Google Pixel 9 Proのカメラ性能が素晴らしいのは、以前の記事でも紹介している通りだ。今回は、待望のGoogle Pixel 10 Proを購入したため、9 Proと比較しながら主にカメラ周りを中心にその進化を紹介していく。
機能比較
まずは、Pixel 10 ProとPixel 9 Proの機能比較一覧を載せておく。特筆すべきは、新開発のプロセッサ「Google Tensor G5」の搭載だ。これにより、AI処理能力が大幅に向上し、特にカメラ機能においてその恩恵を大きく感じることができる。また、ディスプレイの輝度が向上し、日中の屋外での視認性がさらに良くなっている点もポイントだ。
項目 | pixel10 pro | pixel9 pro | pixel8 pro |
価格 | ¥174,900 より | ¥159,900 より | ¥159,900 より |
サイズ | 高さ: 152.8 mm 幅: 72 mm 厚さ: 8.6 mm | 高さ: 152.8 mm 幅: 72 mm 厚さ: 8.5 mm | 高さ: 162.6 mm 幅: 76.5 mm 厚さ: 8.8 mm |
ディスプレイ | 6.3 インチSuper Actua ディスプレイ アスペクト比 20:9 1,280 x 2,856 LTPO OLED、495 PPI スムーズ ディスプレイ(1~120 Hz) Corning® Gorilla® Glass Victus® 2 カバーガラス 最大輝度 2,200 ニト(HDR)、3,300 ニト(ピーク輝度) コントラスト比 2,000,000:1 以上 HDR サポート 24 ビット フルカラー(1,600 万色) | 6.3 インチSuper Actua ディスプレイ アスペクト比 20:9 1280 x 2856 LTPO OLED、495 PPI スムーズ ディスプレイ(1~120 Hz) Corning® Gorilla® Glass Victus® 2 カバーガラス 最大輝度 2,000 ニト(HDR 輝度)、3,000 ニト(ピーク輝度) コントラスト比 2,000,000:1 以上 HDR サポート 24 ビット フルカラー(1,600 万色) | 6.7 インチ Super Actua ディスプレイ アスペクト比 20:9 1344 × 2992 LTPO OLED、489 PPI スムーズ ディスプレイ(1~120 Hz) Corning® Gorilla® Glass Victus® 2 カバーガラス 最大輝度 1,600 ニト(HDR)、2,400 ニト(ピーク輝度) コントラスト比 1,000,000:1 以上 HDR サポート 24 ビット フルカラー(1,600 万色) |
バッテリー | 30 時間以上のバッテリー駆動時間 スーパー バッテリー セーバーを使用時のバッテリー駆動時間 – 最長 100 時間 標準 4,870 mAh(最小 4,707 mAh) 急速充電(別売りの 30W 以上の USB-C® PPS 充電器を使用した場合): 約 30 分で最大 55% 充電 Google Pixelsnap ワイヤレス充電(Qi2 認証済み)で最大出力 15 W | 24 時間以上のバッテリー駆動時間 スーパー バッテリー セーバーを利用した場合のバッテリー駆動時間 – 最長 100 時間 標準 4,700 mAh(最小 4,558 mAh) 急速充電 – 30 分ほどで 55% まで充電 –(別売りの Google 45W USB-C® 充電器を使用した場合) 急速ワイヤレス充電(Qi 認証済み) | 24 時間以上のバッテリー駆動時間 スーパー バッテリー セーバーを有効にすれば最大 72 時間使用可能 5,050 mAh 急速充電 急速ワイヤレス充電 |
メモリとストレージ | 16 GB RAM 256 GB 512 GB | 16 GB RAM 128 GB 256 GB 512 GB | 12 GB RAM 128 GB 256 GB 512 GB 1 TB |
プロセッサ | Google Tensor G5 | Google Tensor G4 | Google Tensor G3 |
背面カメラ | 本格的なトリプル背面カメラシステム: 50 メガピクセル(広角)| 48 メガピクセル(ウルトラワイド、マクロ フォーカス機能付き)| 48 メガピクセル 5 倍望遠レンズ | 超解像ズーム Pro 最大 100 倍と 0.5 倍、1 倍、2 倍、5 倍、10 倍の光学相当 50 メガピクセル Octa PD 広角カメラ 絞り値 ƒ/1.68 画角 82° 48 メガピクセル Quad PD ウルトラワイド カメラ(オートフォーカス機能付き) 絞り値 ƒ/1.7 画角 123° 48 メガピクセル Quad PD 望遠カメラ(光学式手ぶれ補正機能付き) 絞り値 ƒ/2.8 画角 22° 光学ズーム 5 倍 | Google Pixel Pro のトリプル背面カメラシステム: 50 メガピクセル(広角)| 48 メガピクセル(ウルトラワイド、マクロ フォーカス付き)| 48 メガピクセル(5 倍の望遠レンズ)| 最大 30 倍の超解像ズーム、0.5 倍、1 倍、2 倍、5 倍、10 倍の光学相当 50 メガピクセル Octa PD 広角カメラ 絞り値 ƒ/1.68 画角 82° 48 メガピクセル Quad PD ウルトラワイド カメラ(オートフォーカス機能付き) 絞り値 ƒ/1.7 画角 123° 48 メガピクセル Quad PD 望遠カメラ 絞り値 ƒ/2.8 画角 22° 光学ズーム 5 倍 | Google Pixel 7 Proトリプル背面カメラシステム 50 メガピクセル Octa PD 広角カメラ 絞り値 ƒ/1.68 画角 82° 48 メガピクセル Quad PD ウルトラワイド カメラ(オートフォーカス機能付き) 絞り値 ƒ/1.95 画角 126° 48 メガピクセル Quad PD 望遠カメラ 絞り値 ƒ/2.8 画角 22° 光学ズーム 5 倍 |
動画 | 動画ブーストを使った 8K 動画撮影(24 FPS、30 FPS) 4K 動画撮影(24 FPS、30 FPS、60 FPS) 1080p 動画撮影(24 FPS、30 FPS、60 FPS) デュアル露出補正(広角カメラ) 超解像ズーム動画(最大 20 倍) | 動画ブーストを使った 8K 動画撮影(30 FPS) 4K 動画撮影(24 FPS、30 FPS、60 FPS) 1080p 動画撮影(24 FPS、30 FPS、60 FPS) デュアル露出補正(広角カメラ) 超解像ズーム動画(最大 20 倍) | 4K 動画撮影(24 FPS、30 FPS、60 FPS) 1080p 動画撮影(24 FPS、30 FPS、60 FPS) デュアル露出補正(広角カメラ) 最大 20 倍の動画デジタルズーム |
前面カメラ | 42 メガピクセル Dual PD 自撮りカメラ(オートフォーカス機能付き) 絞り値 ƒ/2.2 ウルトラワイド画角 103° | 42 メガピクセル Dual PD 自撮りカメラ(オートフォーカス機能付き) 絞り値 ƒ/2.2 ウルトラワイド画角 103° | 10.5 メガピクセル Dual PD 自撮りカメラ(オートフォーカス機能付き) 絞り値 ƒ/2.2 ウルトラワイド画角 95° |
OS | Android 16 搭載 | Android 14 搭載 | Android 14 搭載 |
開封して物理的に比較
まずは本体を並べてみた。左側がピクセル10 pro、右側が9 proだ。サイズ感はほとんど変わらないが、10 Proの方がカメラバンプ(カメラ部分の出っ張り)が少し大きいため、9Proのケースを10Proに流用することはできなかった。


厚みを確認してみる。仕様上はわずかに10 Proが厚くなっているが、肉眼ではほとんど差は分からないレベルだ。むしろエッジのデザイン処理が変更されたことで、手に持った時のフィット感は向上しているように感じる。


最後に重さを比較してみる。15グラムくらいの差だが、実際に持ってみると10Proの方が明らかに重さを感じた。
10 pro (実測値) | 9 pro (実測値) | |
重量 | 215.3 g | 200.9 g |


お任せで撮影して比較してみる(屋内撮影)
0.5倍、1倍、2倍、5倍、10倍、30倍までを比較し、10Proのみ50倍、100倍まで掲載する。
両モデルとも5倍までが光学ズーム領域だ。 9 Proの時点でも非常に高画質だったが、30倍からの差が歴然だ。10 ProではTensor G5による画像処理の進化が顕著に表れており、解像感やノイズ処理は、10 Proが明らかに一枚上手だと感じた。
すべて左側が10 pro、右側が9 proである。(モバイル端末では2枚目が9 pro)
0.5倍


1倍


2倍


5倍


10倍


30倍
30倍にすると性能差は一目瞭然である。なお、10ProのAI処理をするためには、事前に1GB程度のデータをダウンロードしておく必要があるため、注意が必要だ。
更に驚くべきは、これらの高度なAI処理が、インターネットに接続せず、スマートフォンの中だけで完結しているという点だ。
これを実現しているのが、Pixel 10 Proに搭載されているプロセッサ「Google Tensor G5」。このチップは、まさに「AIのために作られた頭脳」と言える。クラウドの力を借りずに、手元のデバイスだけで複雑な計算を瞬時にこなす。プライバシーや速度の面でも、これは大きな進歩だ。


50倍
9Proは30倍までとなるため、50倍からは、「10Pro」のみを掲載している。AI処理前後で比較してほしい。


100倍
同様に、左側がAI処理前、右側がAI処理後だ。


お任せで撮影して比較してみる(屋外)
晴れた日の屋外でも同様に撮影してみた。屋内以上に、光の多い環境では10 Proの性能と画像処理の進化が感じられる。以下、10Proのみだが、0.5~100倍までの画像を掲載しておく。







AI処理前後の画像比較
デジタルズーム50倍で、AI処理前、処理後の画像を比較した画像だ。
次にデジタルズーム100倍で、AI処理前、処理後の画像を掲載する。
まとめ
やはりAI処理が入ってくる30倍からの画質差は一目瞭然だった。引き続き、ピーキングやISO感度、シャッタースピードなどをマニュアルで設定できるため、ミラーレスカメラに慣れているユーザーにとっても非常に嬉しい。
今回の比較・検証結果からも、スマートフォンのカメラの進化が止まらないことを再認識させられた。以前の記事でも書いた通り、星空の撮影や超望遠域での撮影ではまだ専用カメラに軍配が上がるが、日常的なスナップ撮影においては、もはやスマートフォン一台で十分だと断言できるレベルに達している。
なお、本記事で紹介しているピクセルはPixel 10 Proであることを注意していただきたい。Proモデルでなければ100倍のズームや一部のAI機能は対応していない。
また、ミラーレスカメラの詳細機能などは、以下の記事で記載している。もしカメラに興味があればぜひ見ていただきたい。